米国音楽が見た渋谷系

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東京のTOKYO CULTUART by BEAMSで開催された「米国音楽が見た渋谷系展」を見てきた。「米国音楽」というのは1993年に創刊された音楽雑誌。2005年の6月に刊行されたvol.23を(現在のところ)最後に雑誌としての活動は止まっているものの、僕も学生だった頃から手にしていた雑誌なので思い入れも強く(vol.23の巻末に記された「SEE YOU on NEXT ISSUE !!」の言葉を今でも心の片隅で信じている)、展示会に足を運んだ次第。


展示の内容は「米国音楽」の創刊以降の歴史年表と、バックナンバーから抜粋したページをパネル化したもの、それと、当時のフライヤー(?)や雑誌のゲラなど。CD(ロケット・オア・チリトリ!)や書籍の販売も。この展示会のために作られたTシャツもあって、それはつい一枚買ってしまった…。


渋谷系とはなんだったのか」的な論争は未だに定期的に勃発するけど、展示会のタイトルが示すとおり、「米国音楽」こそが渋谷系であり、「渋谷系」というふんわりとしたムーブメントを地に足の着いた姿勢で追い続けた唯一のメディアだったと思う。まるで海外の雑誌のようなクールで洒脱なデザインは他の音楽雑誌とは一線を画していてスノッブさを刺激するし、「米国音楽」を通じて培われたセンスは今でも残り続けていると思う。


最後に。個人的に好きだったのはvol.15(2000年4月、ソフィア・コッポラの映画『ヴァージン・スーサイズ』が公開された頃!)からスタートした連載「2000 Discs of 20th Century」。これは、毎回ひとりのミュージシャン(小西康陽氏、カジヒデキ氏、須永辰緒氏等)に100枚のレコードを選出してもらうという企画。その人のオールタイム・フェイバリットというよりは、その時の気分で選ぶというアドリブ的なノリが強く、まるで友人と好きなレコードを語り合う時のような緩やかな雰囲気が誌面から伝わって好きだった。この連載は結局vol.22(2004年1月、ソフィア・コッポラの映画『ロスト・イン・トランスレーション』が公開された頃!)で最終回を迎えるんだけど、その時のゲストだった escalator records社長の仲真史氏の選盤が今でも強く印象に残っている。

仲氏が選んだ100枚の多くはハウスやテクノなどのダンス系の12インチ。当時それこそ escaratorの店舗で売っているようなレコードが並んでいてややケーハクな感じもあったんだけど、最後の最後に選ばれたのは Prefab Sprout の『スティーヴ・マックイーン』。1985年にリリースされた、Prefab Sprout屈指の名盤だ。それまでのケーハクなノリからのギャップもあったけど、その時の言葉「これは人生の中で一番聴いた、というか一番聴くアルバムだね。自分の子供にでも無理やり聴かせるね。まずこれを聴けって」も心に響いた。新しいものに目配せしつつも自分の芯というものは普遍的でなくてはならない。仲氏のその言葉とその精神は今も僕に根付いている。

ビーマイベイビー 信藤三雄レトロスペクティブ

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東京の世田谷文学館で開催されている『ビーマイベイビー 信藤三雄レトロスペクティブ』を見てきた。

信藤三雄というデザイナーを初めて意識したのはいつだったか。はっきりとは覚えていないけれど、おそらく90年代、コーネリアスを始めとしたトラットリア・レーベルの作品やポスターだと思う。高校生だった僕はコーネリアスの「音楽」と同時に、信藤氏が生み出す「デザイン」にも惹かれた。音楽がデザインを作り、デザインが音楽を作る。僕が音楽とデザインを結びつけるようになったのは、間違いなく信藤氏の影響によるものだ。

展示室に入ると、壁一面に張り巡らされたCDジャケットやポスターの物量に圧倒される。ちなみに館内は写真撮影もOK。しかし写真を撮るよりもこのデザインの洪水に浸っていたいという欲求のほうが上回ってしまう。どこを見渡しても信藤三雄のデザインに囲まれるこの空間は、まさに時間を忘れるような感覚に陥ってしまう。フリッパーズ・ギターピチカート・ファイヴはジャケットやポスターだけでなく、CDなどのプロダクトそのものも展示されていた。

信藤三雄と言えば、自分にとっては「渋谷系」ミュージシャンのデザイナーという印象が強い。しかしMr.ChildrenMy Little Lover松任谷由実など広くマスに向けた表現をするアーティストも、Blankey Jet Cityやエレファント・カシマシといったゴリゴリなロックも手掛ける氏にとって音楽のジャンルは関係ない。あるのは、そのミュージシャンが表現するサウンドを一枚のビジュアルに収めようとする冴えたアイデアとチャレンジ精神。

個人的にはどうしても90年代に手掛けたデザインに懐かしさを感じるけれど、優れたミュージシャンのメッセージが時代を経ても古くならないのと同様に、信藤三雄氏のデザインは時代を象徴すれど時代に風化されない強さを持っている。そんなことを感じた展示会だった。

 

シーティーピーピーのデザイン

シーティーピーピーのデザイン

 

The xx 2/11(日)@幕張メッセ

2月11日(日)に千葉の幕張メッセで開催されたThe xx のライブに行ってきた。

The xx が奏でる音楽は、まるで血液が体内を循環する脈音のようであり、規則正しいリズムを刻む心拍音のように感じる。この日もオープニングこそアッパーな「Dangerous」で幕を開けたが、基本的には抑制された硬質なビートをマナーとした楽曲が並ぶ。ステージに派手な演出があるわけでもないので、バンドにさほどの思い入れを持っていなければ、やや単調に感じられる所もあったのかもしれない。しかし、ステージのフロントに並んで演奏するロミーとオリバーの真摯なパフォーマンスと確かな"芯"を持った楽曲が醸すグルーヴは、客席にいる僕の意識を少しずつ高揚させる力を持っていた。

ライブのクライマックスはジェイミーのDJ で繰り出されるダンス・ナンバーでオーディエンスの気分が最高潮に高まったタイミングでの「On Hold」であることに異論を挟む者はいないだろう。この時ばかりはライティングも躍動し、会場の熱気もピークに達することになった。

ダンス・ビートではあるもののホーム・リスニングにも対応するThe xx のライブは、スタンド席とは言え着席したまま鑑賞する人も多いのが意外だった。また、クールなイメージが強かったバンドだけど、MC でメンバーが垣間見せた良い意味での人間臭さやフレンドリーさ、不器用さといったものも印象に残るライブだった。

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2017年資産運用まとめ

資産 残高 対前月比 年間通算 備考
預金 8,309,442 + 79,858 + 419,152
債券 1,000,000 - - ソフトバンク社債
株式 7,482,697 + 208,114 + 2,440,074 SBI証券楽天証券
投資信託 1,932,949 + 63,139 + 589,640 楽天証券 ※毎月3万円積立
合計 18,725,088 +351,111 + 3,448,866

振り返ると2017年は年間を通じて堅調と言える一年だった。相場が大きく崩れることもなく、単月ベースで対前月比マイナスとなることもなかった。これは結構珍しいことで、だいたい一年に一ヶ月か二ヶ月かは給与の収入を株価の暴落が上回って資産残高が目減りする月があるものなのだ。
市況の堅調さは個別株よりも投資信託の順調さが象徴しているように思う。ぼくが投資している投資信託日本株、外国株、外国債券等の5本のインデックスファンドなのだが、5本とも利益がプラスに転じたのも2017年だった。将来的には投資信託が資産の中心となるので、この調子で伸びていってもらいたい。

2018年の日本経済や世界経済がどうなるかはもちろんわからないけれど、僕としては投資方針をブレずに、まずは大台の更新(2,000万円)を目指してコツコツやっていこうと思う。

2017年10月資産内訳

資産 残高 対前月比 年間通算 備考
預金 8,182,934 - 2,719 + 292,614
債券 1,000,000 - - ソフトバンク社債
株式 7,304,108 + 393,229 + 2,261,485 SBI証券楽天証券
投資信託 1,819,785 + 68,895 + 476,476 楽天証券 ※毎月3万円積立
合計 18,306,827 + 459,405 + 3,030,605

10月は日経平均株価が過去最長となる16連騰を記録するなど市場は好調だった。預金の方は、9月の旅行費用や通勤定期(6ヶ月分)の支払い、あと、家賃の支払いに使っているクレジットカードを変更した関係で今月は2ヶ月分の家賃を払うことになったなどで出費が嵩み、前月比でマイナスになってしまった。しかし株価や投資信託の上昇がそれを補うに十分なほど騰がってくれた。