Blood Orange 11/22(火)@恵比寿ガーデンホール

11月22日(火)に行われたブラッド・オレンジのコンサートに行ってきた。会場は東京の恵比寿にあるザ・ガーデンホール。

自分にとって、現行のポップ・ミュージシャンの中ではグライムスと並んでフェイバリットな存在のブラッド・オレンジ。今年の7月に新作『Freetown Sound』をリリースしたけど、国内のフェスには出演することもなかったので、この日が今年唯一の来日公演となる。

ブラッド・オレンジことデヴ・ハインズが作る音楽は、CDの音源で聞く限りでは、精巧緻密に構築されたシンプルなインディーR&Bという、いわゆるベッドルーム・ミュージック的な印象が強かった。カッコよく表現するなら「都会の孤独に寄り添うアーバン・ミュージック」といった趣き。初めて聴いたのは2013年にリリースされた 2ndアルバム『Cupid Deluxe』。80年代R&Bフレイバーの色濃い「You're Not Good Enough」にも一発ノックアウトされたけど、決定的にトリコになったのは哀愁感に満ち溢れた「Chosen」。


Blood Orange — "You're Not Good Enough" (Official Music Video)


Blood Orange - Chosen

 

さてガーデンホールに入場し、カウンターでもらったビールを片手にフロアに行くとジョン・コルトレーンの「至上の愛」が客入れBGMとして延々と流れていて早くも酩酊状態に到達。ガーデンホールはオールスタンディングの会場だけど、早めに入ったこともあって列で言うと4〜5列目くらいの前方を取ることができた。

音源のイメージからコンパクトでニートなステージも想像されたけれど、しかしドラム、ベース、ギター/キーボード、そしてコーラス*1を従えたバンド・セットで展開されたライブではデヴ・ハインズはステージ上をくまなく動き回り、時にはギターを手に取って掻き鳴らし、時には鍵盤を叩きながら、マイクを片手にダンスやステップをキメるという非常にアグレッシブでアクション性の高いパフォーマンスを披露した。フロアのオーディエンスもそんな熱量の高いデヴ・ハインズのパフォーマンスを熱狂で受け入れ、非常に熱い空間を共有することができた。

ライブの時間は1時間強でアンコールも無し。先述の「Chosen」や『Cupid Deluxe』のクロージング・ナンバー「Time Will Tell」が披露されなかったのは残念だったけど、短い時間で、しかしその分濃縮されたステージに圧倒され、魅了された。

 

フリータウン・サウンド

フリータウン・サウンド

 
Cupid Deluxe

Cupid Deluxe

 

*1:ミニスカートとベリーショートの髪型が印象的なこの女性コーラスはフロアの視線をデヴ・ハインズと二分していたに違いない。