The Stone Roses来日公演 4/21(金)@日本武道館 その1

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4月21日(金)に東京の日本武道館で開催されたThe Stone Roses のコンサートに行ってきた。

The Stone Roses は1983年に結成されたイギリス、マンチェスター出身のロック・バンド。オリジナル・アルバムとしては『The Stone Roses』(1989年)と『Second Coming』(1994年)の2作を残し、1996年に解散する。名盤としての地位を確固たるものとしている1st アルバムのリリースから解散までの活動期間は約7年。しかし、その間に約5年の実質的なバンドの活動休止期間があったことを考えると、The Stone Roses の実働時間は後世に残した影響の大きさと比べ圧倒的に短い。

僕が『The Stone Roses』を初めて聴いたのは大学の2〜3年生の頃。今から15年以上も前の話だ。しかしその時、ボーカルのイアン・ブラウンはソロ活動をスタートしていたし、ギタリストのジョン・スクワイアは新バンThe Seahorses を結成していて、The Stone Roses は既に過去のバンドだった。僕はフリッパーズ・ギターの元ネタとしてローゼズの音楽を聴いていて、「この「エレファント・ストーン」という曲は「ラブ・トレイン」にそっくりだな」なんて思っていたりした。

The Stone Roses が再結成を発表したのは2011年。日本にも2012年のフジ・ロック・フェスティバルや2013年のサマー・ソニックソニックマニア)に来日してライブを行っているが、単独での公演は再結成後ではこれが初。彼らの活動をリアルタイムで体験していないのにこんなことを言うのもはばかれるのだが、僕にとってThe Stone Roses は特別な思い入れのあるバンドで、それは20代の一番音楽を聴いていた時期に最も聴き浸ったバンドの一つであること、楽曲の素晴らしさだけではなくミュージシャンとしてのアティチュードに共感できたこと、そして楽曲そのものが全く古びないことが理由として挙げられると思う。特に最後の楽曲が過去のものにならないこと、これがとても大きい。The Stone Roses が80年代に産み落とした音楽は、2017年に聴き直しても常にフレッシュに響くのだ。こんなバンド、他にはそうそういない。

会場に入り客層を見渡すと、やはり年相応の人が多く感じられた。開演が19時と遅めだったこともあり、恐らく仕事帰りのサラリーマンであろうと思われる、スーツ姿の男性もちらほら見かけた。僕の座席は2階の、さらに天井に近いステージから最も遠く離れた場所にあったが、そこから会場を見下ろせば客席は隙間なく埋め尽くされ、今日のステージに対する期待の高さを感じることができた。

(その2へ続く。)